飛騨高山市民時報旅行社
飛騨の細道 116-「お土産ばなし」。

■お土産ばなし

観光でなりたっている高山には
お土産に携わっている人がたくさんいるが、
市では、お土産品業界の活性化のために
ずいぶんと前から「お土産品コンクール」なるものをやってきた。

ここでは市が選出した審査員(市民と行政員からなる)が
エントリーされたお土産品(工芸・食品)に
優劣をつけるのである。

地のものであることはもちろんのこと、
適正な価格であること、
常備提供できるもの、
飛騨らしいものなど、
色々なハードルをクリアし、
晴れて受賞したお土産品には作者に賞金。
そして商品には高山市推奨のシールを貼ることが許される。

それぞれの出品者は持ち時間2分をフルに使い、
開発商品の素晴らしさを力説するのだが、
大半が力を入れすぎて、5分はゆうに越してしまう。
話となると売ることに長けた営業マンより、
技術の自慢話へと脱線してしまう職人さんのほうが、聞いていて楽しいものだ。

その中でもこの老人の話は群を抜いて奇抜なもので、
ちょいと紹介したい。

「こいつあ、山から拾ってきて切っただけのもんやで、
金なんかとれんわな。
もとではただやで、金もらったらどろぼうやな。
ほしい人にゃ、タダでやることにしとる」

「目のような、口のような風にも見える穴があるんですが、
手を加えていらっしゃるんですか?」

「んにゃ、なにもしとらんぜな。ただ、穴を開けただけや」

「見たところ、表面がつるんとして、
深い色合いになっているんですが?」

「何年も前から家のなかに転がしておいたで、こうなったんやろ」

「…………」。

体制におもねてしまう人が多いなか、
老人の立ち姿は潔くてどこまでも力強い。
その口から発せられる言葉はストレートで、
審査委員を唖然とさせるには十分すぎるほどだった。


○老人が出品したものは太さ3cm、長さ10cmほどの丸木。
円周に沿って三方向に伸びた枝が長さ5cmほどに切ってある。
キーフォルダーや帽子などを掛けるには便利がいい。
(丸木は紐で吊るすようになっている)
残念ながら賞の対象にはならなかった。


写真/23年度からはシールのデザインも一新する(写真は旧デザイン)
| 飛騨の細道 | 16:24 | comments(0) | - |
飛騨の細道 115-「野に出れば人みなやさしい桃の花」

■野に出れば人みなやさしい桃の花

宮川の水はぬるみ、山河の姿もやさしくなりだすと、
ものの芽が大地を割ってあちこちから顔をだす。
「野に出れば人みなやさしい桃の花」(高野素十)。

まもなく飛騨でもフキのとうが萌え出るが、
ひとあし早く、新芽が町のあちこちにあらわれだした。
春休みに訪れる若者である。

かれらは獣のようにほえもせず、
鳥や虫のように鳴きもせず、
ただ、ただ、もの静かに群れて移動している。

ふと見ると黒い固まり(仲間)が立ち止まってる。
そういう場所のたいがいは中華そば屋か、みだらしだんご。
はたまた飛騨牛の串焼きや、飛騨牛のにぎり寿司など、
簡易的な食べ物屋の前だ。

新芽は何事にも
だらだらと見て、だらだらと携帯で記録して、
だらだらと食べて、だらだらと帰るようだが、

シャキッと見て、シャキッと携帯で記録して、
シャキッと食べて、シャキッと帰るような、
こごみのおひたしのような若者はいないのだろうか。



写真/とりあえず撮ってみるか
| 飛騨の細道 | 11:37 | comments(0) | - |
飛騨の細道 114-「雪」

■雪

雪という文字は「彗」に通じ、
「すすぐ、そそぐ、あらいきよめる、ぬぐう」などの意味がある。
地上のものを掃いて除き、清めるという感じだ。

言われてみれば、雪は地上の汚れも、粗もすべて覆い隠し、
白一色に変えてしまう。

雪は降り始めのころは「さらさら」
静かに雪が降る夜は「しんしん」
しきりに降るのが「こんこん」

庭木や灯籠のうえに降り積もった雪は「綿帽子」
枝からたれさがるようにまとわりつくのが「雪紐(ゆきひも)」
屋根から落ちそうで落ちない積もり方は「雪庇」


降りかたや積もり方、それぞれに、
ふさわしい言葉がある。

| 飛騨の細道 | 15:42 | comments(0) | - |
飛騨の細道 113-「願う人」

■願う人

人は星のもとに生まれるという説がある。
真言宗では北斗七星を形どっている星を
貧狼星、巨門星、禄存星、文曲星、廉貞星、武曲星、破軍星とよび、
我々は誕生した年の干支によって、自分の星が決まっているという。

自分の星は終世変わることがなく、
巡りくる新しい年によって運勢の強い星になったり、
よくない星になったりするというが、
2月3日の節分の日、飛騨国分寺では、
星を祈念する星祭りが行われていた。
(真言宗では節分の翌日にあたる立春から
翌年の節分までを1年と数えるため、節分は大切な年の始まりなのだ)

この日は、それぞれの星をお祀りしながら、
運勢の強い星にあたった人はより一層よくなるよう、
悪い星にあたった人は災いが免れるように護摩供養を行う。

本堂横の受付ではお札を求める人や、
除災招福のための祈念を申し出る人などが押し寄せ、
多くの老若男女が本堂を埋めた。

| 飛騨の細道 | 17:24 | comments(0) | - |
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